会津北嶺高等学校

建学の精神は「博愛・自由・平等」

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2021年6月7日 会津北嶺高校 学校礼拝「人は何者か」

礼拝後の校長講話 2021/06/7

イソップ物語から「自由の道と奴隷の道」

神様は人間に二つの道を与えました。

自由の道は岩がゴツゴツしている山道で水もなくイバラのトゲが一面に生えているため、危険で前進するのが大変そう。しかし最後は広い道になっていて美味しそうな木の実や清らかな泉もあってオアシスのようになっています。

奴隷の道は始めのうちは広く平坦で花も咲き、木の実もなっていて小川も流れていて快適に進めそう。しかし最後は崖の細い道になっていて谷底に落ちてしまいそうな危険な場所を通過しなければなりません。

聖書の言葉 によく似たことがあります。『狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない。』(日本聖書協会 新共同訳 新約聖書 マタイによる福音書7章13~14節)

 自分の夢、あるいは自己実現につながる生きがいに目覚める必要があります。何かに依存するのでなく、夢や生きがいに自分人生を託して欲しい。「7つの習慣」の授業で主体的であることつまり、自分が決める、ミッションステートメントを持つ。高校生の皆さんは「勉強を生きがい」にし、その勉強にのめり込んでみるのもいいでしょう。

会津北嶺2021-4   「人とは何者なのか」

どんな人間観を持つか。これが教育の土台、宗教の土台、哲学の土台です。そして、学問、政治、経済を含むすべての人間活動の出発点です。

さて聖書を学ぶ際の最も重要なことは、次の三つです。

(1)聖書の神はどのような神か。

(2)人とは何者なのか。 

(3)救い主イエス・キリストはどんなお方か。

今日は(2)についてお話します。

1.人とは何者なのか。 ある日学校から帰宅した、高校生H君と父親Fさんの会話でした。

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H「お父さん。人とは何者なのでしょうか。」

予想もしない質問にびっくりしたお父さん(F)は、言ったそうです。

F「お前どうしたんだ。本当に大丈夫か。精神科に相談に行った方がよいのではないか。」

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多くのお父さんは似た返事をするかもしれません。この質問に真正面から答えられる人は、きわめて少ないと思います。

20年前、シカゴでの国際会議に出席するため、私は機上におりました。ロッキー山脈を越えて、眼下には広大なアメリカ中西部が広がっています。飛行機から見ても、地平線上に山が見えないほどの広がりです。では地上の人間はと言えば、小さくて機上からは見えません。しかし、その小さなひとりの男、身長2メートルにも満たないブッシュ大統領が、この広大な地を統治している。

いったい人とは何者なのか。詩篇のことばが心に響きました。

「あなたの指のわざである天を見、あなたが整えられた月や星を見ますのに、

人とは何者なのでしょう。あなたがこれを心にとめられるとは。

人の子とは何者なのでしょう。あなたがこれを顧みられるとは。 詩篇8:3~4」

この詩篇は、今から約3000年前、後にイスラエルの王となったダビデの若き日の詩篇です。この時の彼は、野宿をしながら羊を守り、満点の星を眺めていたのでした。

「壮大な天を創造した神が、どうして私のような者に心を留めておられるか。

創造主への、彼の感嘆の叫びでした。

「小さな人間が持つ大きな力」 今、アメリカのトランプ大統領は、やはり世界に大きな影響力を持っています。また中国では、習近平が国を支配しており、世界に覇権を広げようとしています。

アップル創業者スティーブ・ジョブスは、スマホで世界を変えました。

このように人は小さな存在ですが、世界を動かすほどの力を持っています。いったい人とは何者なのでしょうか。

「悪人と善人」  かつてナチスのヒットラーは、ユダヤ人を600万人もガス室で殺しました。今も無差別テロが人を殺します。殺しや盗みを平気でする人もいます。

他方マザーテレサは、死に行く人々にイエス様の愛を注ぎ、人間の尊厳を回復させました。

バッハやベートーベン、野口英世のような医学者、リンカーン、多くの科学者や技術者も、人類の幸福を目指して尽力しています。震災では、多くのボランティアが奮闘しています。

多くの悪人がいる反面、無数の多くの善人がいます。本当に人とは何者なのでしょうか。

2.人間の初めの姿  

では人間の初めの姿は、どんな姿だったのか。

「神は言われた。『我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地をはうものすべてを支配させよう。』

神はご自分にかたどって、人を創造された。創世記 1:26~27」(新共同訳)

ここでリック・ウオーレン牧師著「人生を導く五つの目的ページ228』」から一節を紹介いたします。

「神の似姿、神のかたちとは一体どのようなものなのでしょうか。それはまさにイエス・キリストご自身」にほかなりません。

キリストは『まさしく神の似姿』であり、『見えない神の目に見えるかたち』であって、

『神の本質の正確な表現』である、と聖書は語っています。

人はイエス・キリストに似せて造られた。ここに人間の尊厳があります。」

「御子は見えない神のかたちであり、・・・・・・・・・・・新約聖書 コロサイ 1:15」

「なぜなら、神はみこころによって、満ち満ちた神の本質を御子のうちに宿らせ、

                                  コロサイ1:19」

しかし、現実の人間は、キリストの似姿とは程遠いではないでしょうか。

有史以来、戦争や内戦が絶えません。今も民族と民族が戦っています。そして世界中でテロが横行、毎日のように人が殺されている。

暴力や麻薬感染も広がっています。いじめや家庭内暴力もあり、離婚も少なくありません。

一体、何が起こったのか。その究極の原因が原罪です。これについては、7回目にお話しします。

God Bless You!  神の祝福があなたに注がれるように祈ります。

(三留謙一;恵泉キリスト教会・会津チャペル牧師、会津北嶺高校理事)

質問受けつけ:(mitome.kenichi@cameo.plala.or.jp、 携帯090-6782-9709)

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